使わない荷物を預ける場所として、街なかで見かけるトランクルーム。
あの箱、実は投資の対象になるのをご存じでしょうか。人に貸して収益を得る不動産というと、アパートやマンションを思い浮かべる人が多いはず。でも「人ではなく荷物に貸す」という選択肢もあります。
今回は、そんなトランクルーム投資の世界をのぞいてみます。
トランクルーム投資ってどんなもの?
ざっくり言えば、収納スペースを人に貸して、その利用料を受け取る仕組みです。
家に置ききれない季節物、趣味の道具、仕事の在庫。
荷物を減らせない事情は人それぞれです。そうした「置き場所に困った荷物」の受け皿になるのが、トランクルームです。
部屋を借りるのは人ですが、実際にそこで暮らすわけではありません。荷物が入るだけ。ここが、住まいを貸す投資との大きな違いです。
主に2つのタイプがある
トランクルームと一口に言っても、形はいくつかあります。
・屋外型:空き地などにコンテナを置いて貸すタイプ
・屋内型:ビルやマンションの一室を区切って貸すタイプ
屋外型は、車で乗りつけて大きな荷物を出し入れしやすいのが持ち味。屋内型は、空調が効いていて衣類や本など繊細な荷物を預けやすい。立地や狙う利用者によって、向いている形が変わります。
近ごろは、この2つの中間のようなスタイルも見かけます。
バイクを預けるための専用スペースや、ワインを寝かせておける温度管理付きの収納など。荷物の種類にあわせて特化する動きも出てきました。ひとくくりに「収納を貸す」と言っても、その中身は少しずつ枝分かれしています。
なぜ注目されているのか
背景には、暮らしの変化があります。
住まいはコンパクトになる一方で、モノは増えがち。趣味が多様になり、アウトドア用品やコレクションを持つ人も増えました。「捨てたくないけど、家には置けない」。そんな荷物の行き場として、収納の需要が静かに伸びています。
投資する側から見ても、いくつか魅力があります。
・人が住まないぶん、水回りなどの設備トラブルが起きにくい
・退去のたびの大がかりな原状回復が、住宅ほどは発生しにくい
・比較的シンプルな運営で始めやすい
「手のかからない不動産」というイメージが、じわじわ広がっているわけです。
「ほったらかし」では回らない
ただ、ここで気をつけたい点があります。トランクルームは、置いておけば勝手に埋まるものではありません。
一番の関門は、集客です。
どれだけきれいな収納を用意しても、その存在を知ってもらえなければ空いたまま。
近所に住む人、あるいは通りかかる人に「ここにトランクルームがある」と気づいてもらう工夫が要ります。
ネットで探して申し込む人もいれば、通勤の途中に看板を見て知る人もいます。
どんな人に、どうやって届けるか。この道筋を描けているかどうかで、空きが埋まるスピードは変わってきます。
ここを人任せにしすぎると、思ったように利用者が集まらないこともあります。
立地がものを言う
集客のカギを握るのが、立地です。
・周りに、収納を必要とする世帯や店がどれくらいあるか
・車でも徒歩でも、荷物を運びやすい場所か
・すぐ近くに、似たサービスがすでにないか
住宅街のはずれ、幹線道路沿い、駅の近く。同じトランクルームでも、どこに置くかで結果はまるで違ってきます。
さらに、日々の管理もゼロにはなりません。
・利用者からの問い合わせ対応
・清掃や、周辺のちょっとした手入れ
・料金の回収や契約のやりとり
こうした細かな手間を、自分でやるのか、業者に任せるのか。ここも始める前に考えておきたいところです。
向いているのはどんな人?
トランクルーム投資は、派手さこそありませんが、地道に育てる楽しさがある分野です。
一気に大きく稼ぐより、少しずつ利用者を増やして安定させていく。そんな進め方が肌に合う人に向いています。
・目立たなくても、堅実に運営するのが好きな人
・立地や需要を、じっくり読むのが得意な人
・住宅の管理ほど手をかけたくない人
逆に、「置くだけで放っておいても埋まる」と期待して始めると、空きが続いたときにがっかりするかもしれません。
始めた人の話を聞くと、最初の数か月は思うように埋まらず、少しずつ口コミや検索で見つけてもらえるようになった、というケースもあるようです。すぐに結果を求めず、じっくり育てるつもりで向き合えるか。この心構えが、意外と大きな差になります。
荷物に貸すという発想は、まだ広く知られているとは言えません。
だからこそ、ていねいに調べて動ける人にとっては、のぞいてみる価値のある選択肢です。
人が見過ごしてきた「収納」という切り口。そこに小さな価値を見いだせるかどうかが、この投資の面白さの入り口になります。

